著書「オトナ女子のふるまい手帖 なぜか大切にされる女性になるマナーと心得56」が6刷重版と好評なマナーコンサルタント髙田将代さんのご紹介です。
専業主婦から一念発起され、Mエレガンスアカデミー代表として活躍されている将代さんに、これまでの半生を教えていただきたく手記をお願いしたところ、快くお引き受けいただきましたので、ぜひご一読ください。
高田将代
Mエレガンスアカデミー代表
マナーコンサルタント
著書
なぜか大切にされる女性になるマナーと心得56「オトナ女子のふるまい手帖」
(2021年上梓 現在6刷・海外出版)
入社1年目から好かれる人の「敬語・話し方のビジネスマナー」
(2024年12月20日上梓)
2020年ミセス日本グランプリファイナリスト
美しく品のある「ひと、もの、こと」が好き
「なぜマナー講師になったの?」と時折聞かれますが、答えはとてもシンプル。「好きだから」の一言です。私の場合は “マナーおたく” かもしれません。マナーやふるまいに関することなら、飽きることなく学び続けられます。美しく品のある所作や言葉遣いといった様々なマナーを備えることは、周りの人と心地よい関係をつくり、自分らしく生きていくために欠かすことのできないものです。だからこそ一生かけて伝えいきたいと考えています。
将代という名前
正式には將代と書きます。将軍の将、平将門の将、武将・主将の将…どれも勇ましいですよね。名前にこの字が入っている女性はまずいないでしょう。私が生まれたのは、国宝や重要文化財を数多く有する1400年続くお寺でした。日本で唯一、東西両塔が現存し、仏像ではなく曼陀羅が本尊という珍しいお寺です。
中将姫ゆかりのお寺でもあります。中将姫は右大臣藤原豊成公の姫君で、国宝・當麻曼陀羅を、蓮の花の糸を使い、一晩で織りあげたと伝えられています。文字を読める人がまだまだ少なかった時代、極楽浄土の世界や、どのように生きれば救われるのかを絵で表した曼陀羅は、日本中に広まりました。
そして、女性が女性のままでは極楽浄土にはいけない(男性に生まれ変わってからでないと)と信じられていた時代に、多くの菩薩さまに迎えられ、西方浄土へ往生した女性として、その時代の女性の希望となった人でもありました。その中将姫から一字をいただきました。
幼い頃からお茶、お花、お琴などを習い、また、日々多くの人の出入りがあったため、自然と対人スキルは磨かれていきました。天皇陛下(皇太子様だった時)や三笠宮ご夫妻がおいでになったこともありました。人を迎える裏側で、どれだけの準備や心遣いが必要なのかを肌で学んできました。それらの経験が、今、役立っています。
また、名前通りなのか、母を早くに亡くしたからか、私はとても強いらしいです。ですが自分自身の人生を、凛として生きていくためには、強さは欠かせません。強くなければ人に優しくもなれません。ただ、その強さをそのまま前面に押し出すのではなく、柔らかなふるまいや言葉で、人にも物事にも向き合っていきたいと思っています。
仕事歴
大学卒業後、伊藤忠商事に入社。バブル期で、勢いがあり、仕事も遊びも全力でする、そんな会社でした。結婚後は退職して専業主婦に。息子が生まれ、幸せだった一方で、社会との断絶に落ち込むこともありました。かといって子供を預けて働きたいのかと自問自答すると、「仕事は好き。でも、子供の成長を全て自分の目で見とどけたい」という気持ちが強かったのです。誰かに助けてもらえる環境ではなかったから、私の選択はやはり専業主婦でした。それなら専業主婦を全力でしようと気持ちを切り替えました。育児に専念できることに感謝し、私にできる限りことをすると決め、家族に全力を注ぎました。おかげさまで、結婚30年、家族がとても仲が良いことが自慢です。
女性は子育てだけでなく、家業や介護など、家庭の様々な事情が最優先で、自分のことは後回しになることが多々あります。自分がどうしたいかを考える余裕がない時期もあります。夫は多忙で、頼れる人がいない土地で、子育てをした私も、気づけば体重が40キロをきっていたりと、大変な時期もありました。ですが、その時々に一番大切だと思うことに、真摯に向き合ったからこそ、子育ても家事も全て自分の力になると言えます。そして子供たちに存分に関わりつつ、その成長とともに、少しずつ自分の未来のための準備をスタートしました。
準備をスタートしたといっても、すんなりと仕事ができるようになったわけではありません。一流と言われる会社に勤めていたのに、いざとなるとなんのすべもない自分に落ち込みました。自分に何ができるのか、何がしたいのか、最初はまったく見つけられませんでした。私の母が亡くなる前に、「何か一つ、一生かけてできることを見つけられたらいいね」と私に言った言葉が、この時初めて意味をもって伝わってきました。仕事を再スタートするなら一生できる仕事にしようと決めていました。
PTA会長をしたことも大きなきっかけとなりました。たくさんのお母さん仲間にどれほど助けられたことか。その時に「才能豊かな女性がたくさんいる。この力を社会に活かさないのはもったいない。女性の力を引き出し、活躍をもっと後押ししたい」と思うようになりました。だからこそ、あらゆる角度から内外面のブラッシュアップができるフィニッシングスクールの門をたたきました。ここで
●何歳からでも人は変われること
●マナーや美しいふるまいが、人生を後押しする大きな力になること
●自分が何を大切にし、どんなふうに生きていくかを思い描きながら前に進む方法
を知りました。それらが今の私を形作っています。
フィニッシングスクールを卒業し、マナー講師としての一歩を踏み出しました。10年以上専業主婦だった私が、新たなスタートをきったように、納得のいく自分になるために、これから一歩を踏み出す人、さらなるステップアップを目指す人を全力で応援しています。
自信を持てるようになることで、どんどん変化していく受講生様を見るのが、何よりの幸せです。また、さまざまな企業で、接遇、接客、コミュニケーション研修などに登壇。日本と海外、それぞれのマナーや文化の学びを通し、世界に誇れる日本の心遣いにあらためて価値を見出しました。
この日本人の持つ細やかな気配りや精神性を大切にした上質な接遇・接客スキルをお伝えしています。プレジテント誌などの雑誌のマナー記事監修、月刊100万部の会報誌でのコラム連載、ラジオ出演、講演など、仕事の幅も少しずつ広がっています。ベトナムや中国でも、おもてなしをお伝えする機会もいただきました。
これらは全て、お声をかけていただいたことがきっかけです。ご縁も仕事も人が運んできます。人間関係がものを言います。その人間関係をより良いものにするのが、マナーやふるまいです。プライベートでもビジネスでも、成功し、幸せに生きていくための土台となるものです。これからも心を込めて、一人でも多くの方に伝えていきたいと思っています。
将代さん、お忙しい中ありがとうございました。
将代さんはご自身のSNSアカウントで情報発信されていますので、こちらもぜひご参照ください。
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